絨毯の産地
ガンダーラで取り扱う伝統の絨毯は、イラン・パキスタン・アフガニスタンの3つの国で作られています。3つの国が持つそれぞれの風土、及び歴史をご紹介します。
イラン
イランは別称ペルシアと呼ばれる国。ペルシャ絨毯の産地です。非常に乾燥した気候で、砂漠も多く変化に富んだ地形を持ちます。イランは、日本のように建物に靴を脱いで入り、床に座る習慣を持ちます。
ペルシャ絨毯の歴史は永く、現存する最古のペルシャ絨毯は約2500年前のもの。現在はエルミタージュ美術館が所蔵しています。

ペルシャ絨毯の歴史は永く、現存する最古のペルシャ絨毯は約2500年前のもの。現在はエルミタージュ美術館が所蔵しています。
ペルシャ絨毯は、イラン国内の地名が商品名となっており、五大産地としてイスファハン、カシャーン、ナイン、クム、タブリーズが高名です。そのほかにも数え切れないほどの種類があります。それらはローカルと呼ばれ、いずれもその洗練された意匠や卓抜した技術から“絨毯の最高峰”として世界的にも高く評価されています。

パキスタン
日本の約2倍もの広さを誇るパキスタンは、大部分は乾燥した気候とされていますが、山岳部、平野部、海岸部など地域によって気候が大きく異なります。

パキスタンの地で手織絨毯が作られるようになったのは、約500年前のムガール帝国時代(1520~1858年)からだったようです。ムガール朝アクバル大帝(1556~1605年)が宮廷内に工場を建てペルシャより指導者を紹き絨毯を織らせたのが始まりとされております。当初はペルシャ絨毯の影響を大きく受けていましたが、次第に「ムガールスタイル」と呼ばれる独自のスタイルを作りだすようになり、現在では斬新な手織り絨毯として各産地にその名をとどろかせています。

アフガニスタン
アフガニスタンは葉っぱのような形をした国で、昼夜の温度差が激しく、乾燥した気候です。高度3000mを越えるヒンドゥークシュ山脈が、国土を南北に分けるようにそびえています。
「アフガーン絨毯」と呼ばれるアフガニスタンの絨毯は、独特の幾学模様が特徴です。縦糸や横糸、またパイル糸にもウールが使われます(一部はシルクのものもあります)。

多民族国家であるアフガニスタンでは、各民族ごとの文様を親から子に受け継ぎ、伝統的に織り続けてきました。しかし、第2次世界大戦を境にデザイン性が高まり、さまざまな柄が取り入れられ文様も変化していったようです。
