ガンダーラ物語
愛の国ガンダーラ、その豊かな歴史とロマン
ガンダーラは、現在のパキスタン北西部からアフガニスタン東部に有った「古代王国」で、紀元前6世紀から11世紀まで約1700年間存在しました。1~5世紀には仏教を信奉した「クシャーン朝」のもとで黄金期を迎え、この地から仏教は中央アジア、極東アジア、中国、日本へと拡大し、ガンダーラ詣での巡礼が絶えない人々の憧れの聖地でした。
紀元前4世紀、アレキサンダー大王とともにガンダーラに侵入したローマ人たちは、仏教の教えに深い感銘を受け、その姿を彫刻で表現しました。”ギリシャ人の顔にインド風の衣装”を着けた、この異様な彫刻は、後に「ガンダーラ美術」と称されるようになりました。
古来より、中央アジアの草原地帯に住む遊牧民たちは「パオ」と呼ばれる組み立て式住居の資材となる、フェルトやキリム絨毯などの羊毛加工の技術を持っていましたが、次第にシルクロード全域に伝わり、現在の手織り絨毯に発展しました。
パキスタン絨毯は約500年の歴史を有し、”現代感覚と格安さ”を併せ持つ、実用性に優れた絨毯として定着しています。また、長年不幸な戦乱に見舞われているアフガニスタンは、本来であれば絨毯王国。一日も早い復活を望むばかりです。
ガンダーラ地域は、シルクロードの要所に立地するあまり、幾多の栄枯衰勢を余儀なくされ、現代の地図には存在しない幻の地名になってしまいました。しかし約2000年経過した今も、ガンダーラは『愛の国・・ユートピア・・』と親しまれ人々の心の奥に生き続けています。
弊社は1986年、パキスタン絨毯の製造販売を起業するに当たり、その母である「ガンダーラ」を社名に戴きました。私たちは、この豊かな歴史とロマンから多くの教示を仰ぎ、末永く活動していく所存でございます。
株式会社ガンダーラ 畠山信義